身長を伸ばすにはどのような栄養を摂れば良いのでしょうか?
ネット上の情報では「これさえ摂れば身長が伸びる!」という謳い文句と共に売り出されている商品も数多く存在するかと思いますが、実際には数種類の栄養素をバランス良く摂取する事で初めて、効率的に身長を伸ばすことに繋がります。
実際に「どのような種類」の栄養素を「どれだけの量」摂取すれば良いのか、詳しく紹介していきたいと思います。
身長を伸ばすのに必要な栄養素7つ全て解説
- タンパク質(プロテイン)
- 亜鉛
- カルシウム
- マグネシウム
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンK
タンパク質(プロテイン)
身体作りをしている方には聞き馴染みのある「タンパク質」。特に筋肉をつけたい人が意識的に摂っているイメージがどうしても強いですが、それだけでなく身長を伸ばす事に大いに関わる栄養素です。
実際肉を取り入れない食事が主流だったという江戸時代では、男性でさえ平均身長は160cm弱、女性は145cm前後という、現代に比べて明らかに低身長だったそうです。
タンパク質は筋肉だけでなく骨や臓器、血液など、身体中の組織を構成しています。コラーゲンの材料となり骨を伸ばす事で、身長を伸ばすのに大いに貢献してくれます。また、摂取する事で成長ホルモンの分泌も促され、身長において最も重要な栄養素と言っても良いでしょう。
皮膚や毛髪もタンパク質から作られており、ハリや艶はその十分な摂取があってこそです。女性の方でも、タンパク質の重要さは見逃せない所と言えます。
成長期の男女では、男性なら約60g、女性なら約50gを一日に摂取するのが推奨されています。また、体重をそのままg(グラム)に直した値の量を摂取するといった手法も参考までに覚えておくと良いでしょう。例えば「体重が60kgならば、タンパク質を一日に60g摂取する」といった具合ですね。
タンパク質が多く含まれる食品は肉類全般、サケやサンマなどの魚類、鶏卵、納豆や豆腐などの大豆加工食品です。
亜鉛
近年注目されてきている必須ミネラルが「亜鉛」です。
その重要性の認知度が低かったのは一般的な食事をしていればまず不足することはない栄養素だからだったのですが、インスタント食品や外食が多くなってきている昨今では、そうした食品加工の過程において亜鉛が失われてしまっています。そんな現代だからこそ、亜鉛の必要性が見直されてきています。
亜鉛は骨や筋肉の生成、成長ホルモンの分泌に大きく関わり、タンパク質と共に摂取することで新陳代謝が向上する効果も見込めます。
成長期の男女では、男性なら約9mg、女性なら約7mgを1日に摂取できると良いでしょう。
牡蠣に極めて多く含まれており、4~5個食すことで先ほどの推奨量は簡単に摂取できます。他には牛肉(特にレバー)、カシューナッツ、エビ、ほうれん草などによく含まれています。
カルシウム
「カルシウム」は骨の約60%を構成している成分で、人体に最も多く含まれるミネラルです。
骨を直接伸ばす訳ではありませんが、伸びた骨を強くするのに欠かせません。また、筋肉の収縮や心肺機能にも携わっています。
慢性的に欠乏すると、骨量や骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクも高まります。また、一回の摂取で吸収できる量も限られているので、なるべくカルシウムの吸収をサポートしてくれる、後述の「ビタミンD」や「ビタミンK」、「マグネシウム」と合わせて摂取するようにしましょう。
成長期の男性では1日に800~1000mg、女性は650~800mgを目安に摂取できると良いでしょう。
カルシウムを多く含むと言えばやはり牛乳です。一本(200ml)につきカルシウムが230mgも含まれているだけでなく、タンパク質や各種ビタミンなど、成長期には欠かせない栄養素が含まれています。是非一日一本を習慣づけてみてはいかがでしょう。
他にはチーズなどの乳製品、小魚、豆類に多く含まれています。
マグネシウム
「マグネシウム」もまた骨の形成に必要なミネラルで、神経伝達やエネルギー産生において重要な働きをし、ストレスや緊張をほぐす効果も期待できます。現代人は慢性的にマグネシウム不足だと言われているので、意識して摂取していきましょう。
理想的な摂取量は『マグネシウム:カルシウム=1:2』の割合だと言われており、マグネシウムが不足していると、せっかくカルシウムを沢山摂取しても骨に定着せずに血中に流れ出してしまう事もあります。バランス良く摂取することで初めて結果が出せる好例ですね。
納豆などの大豆食品、魚介類、ほうれん草など野菜によく含まれています。
ビタミンC
「ビタミンC」はコラーゲンを生成するのに、タンパク質と共に重要な水溶性ビタミンです。是非合わせて摂取することを心がけましょう。他にも毛細血管や歯を正常に保つ働きもあります。
一般的な食事を摂っていればビタミンCを不足することによる症状が出ることは稀ですが、極端に不足すれば血管が脆くなり出血してしまう「壊血病」を発症してしまう恐れがあります。
成長期の男女共に、75~100mg摂取するのが推奨されます。過剰摂取に関しては、1000mgを超えて摂取するなど極端でない限り、体内で吸収量が調整されて不要な分は尿と一緒に排泄されるので心配は要らないでしょう。
ピーマンを筆頭に野菜や果物全般に含まれています。熱を加えたり水に溶け出す事で失われやすいので、そういった調理方法を多用している方は注意が必要かもしれません。
ビタミンD
「ビタミンD」は脂溶性のビタミンで、カルシウムの吸収を助けることで骨の形成、発育促進の効果があります。
ビタミンDは欠乏することでカルシウムの吸収に悪影響を及ぼし、骨の軟化や発達障害に繋がります。摂取したカルシウムを無駄にしない為にも、合わせてビタミンDを摂ることを意識しましょう。
成長期の男女共に、5.5~6.0μgが推奨量とされています。 日光を浴びる事で人体においても生成できるビタミンですので、成長期のうちに外で活発に過ごすのも重要になってきます。外出をあまりしない方は食事で摂取することを特に心がける必要がありそうです。
食品ではサンマやイワシ、サケなどの魚類に特に多く含まれています。食品の状態でも、干して日光に当てる事でビタミンDがより増えるようです。
ビタミンK
「ビタミンK」はビタミンDと同様に脂溶性のビタミンであり、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。こちらもまた骨作りに欠かせず、カルシウムと合わせて摂取することが重要になってきます。
更に血液凝固に深い関わりがあり、十分に摂取する事で出血した際の止血作用に効果が見られます。
成長期の男女共に、100~150μgの摂取が推奨されています。過剰摂取による健康被害は今の所報告されていないようです。
モロヘイヤを筆頭とした野菜や納豆に特に含まれていますが、通常の食事では滅多に不足することは無く、現代人のほとんどは目安量をしっかり摂取できているようです。
まとめ
ここまで読んで頂けたなら、栄養素をバランス良く摂取することの重要性がお分かりになられたかと思います。それぞれの栄養素が互いにサポートし合って、身長を伸ばす事に繋がっていますね。
成長期のお子さんをお持ちの方は特に、それらが多く含まれる食品を覚えて毎日の献立に役立てて頂ければ幸いです。
魅力的な高身長を目指して、日々の食生活から変えて行きましょう!